資格

50代目前ド文系人間がG検定に合格したので学習法や対策をシェアします【G検定必勝法】

この記事は、40歳後半で記憶力も衰えはじめ、気力だって昔のようにはいかない「おじさん」が、G検定に合格するまでの2か月間の奮闘記です。

いわゆるド文系で数学大嫌いな自分が、行列や微分などの数学問題が出るというG検定をどうやって攻略し合格できたかについて書いてあります。

この記事を読めば、私と同じような方でもG検討に合格することができると思います。たぶん。

G検定について

G検定は「ディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかどうかを確認する」ための試験です。一般社団法人日本ディープラーニング協会(以下JDLA)が実施しています。

プログラマーやエンジニアなどの技術者はもちろん、AIやディープラーニングの概要を勉強したいビジネスマンに最近人気の資格のようです。

2020年第2回 G検定は、7月4日(土)に実施され過去最高となる12,552名が受験し、8,656名の合格者が誕生しました。

こちらのグラフと表はJDLAサイトより拝借しております

試験の特長

この試験の特長は、まずオンライン試験であること、試験会場に行かずに自宅で受験できますから新型コロナも怖くありません。そしてなんといっても試験中に資料を参照してもOKなところ。たとえば試験中にわからないことをググってもよいのです。

まあ、それだけで試験に合格するほど楽ではないのですが、暗記系の問題なら事前にテキストとして用意しておくこともできますし、計算問題なら電卓も使えるわけです。

試験概要

名称 JDLA Deep Learning for GENERAL 2020 #2
概要 ディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかを検定する
受験資格 制限なし
試験概要 120分、小問200問、オンライン実施(自宅受験)
出題受験料 一般 6,000円(税抜)、学生 2,500円(税抜)
※2020 #2に限り、テレワーク時の学習支援として受験料半額にて実施されました

シラバス

出題範囲はこうなっております。プログラマーやエンジニアの方には親しみやすいのでしょうか?そうでない自分には非常に敷居が高い内容に思えました。

人工知能(AI)とは 人工知能の定義
人工知能をめぐる動向 探索・推論、知識表現、機械学習、深層学習
人工知能分野の問題 トイプロブレム、フレーム問題、弱いAI、強いAI、身体性、シンボルグラウンディング問題、特徴量設計、チューリングテスト、シンギュラリティ
機械学習の具体的手法 代表的な手法、データの扱い、応用
ディープラーニングの概要 ニューラルネットワークとディープラーニング、既存のニューラルネットワークにおける問題、ディープラーニングのアプローチ、CPU と GPU
ディープラーニングにおけるデータ量
ディープラーニングの手法 活性化関数、学習率の最適化、更なるテクニック、CNN、RNN
深層強化学習、深層生成モデル
ディープラーニングの研究分野 画像認識、自然言語処理、音声処理、ロボティクス (強化学習)、マルチモーダル
ディープラーニングの応用に向けて 産業への応用、法律、倫理、現行の議論

なぜ自分がG検定を受験しようと思ったのか?

AIは数年前からビジネス雑誌などで取り上げられ、すっかりトレンドワードになっており、広告屋の自分は押さえておきたいネタでした。しかしAIについて知ろうと思っても、ウェブページや書籍が結構存在していてそのレベルもさまざま。どれから手をつけてよいかわかりにくい状況でした。

実際自分もいくつかの書籍を購入し読んでみたのですが、あまり頭に入ってこない。AIの導入事例的な情報はおもしろいのですが、仕組みがよくわかっていないので本当に理解できたかどうか自信が持てない。

ちょうど仕事でAI人材の転職サイトを立ち上げようとしていたので、きちんと勉強する必要もありました。

そのような中で、AIについて総合的な知識を一度に学べるようなセミナーや講座がないか探している時にG検定にぶち当たりました。「ディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかどうかを確認する」まさに自分に適しているのはこれだと思ったわけです。

JDLAのサイトにあった過去試験の結果を見ていたら、受験者には自分のようなおじさんもまあまあいることが判明。

また加齢のせいなのか、明らかに感じる脳の衰えと気持ちの萎えwに刺激を与えなければと考えていた時期でもありました。

他にも、新型コロナウィルスによるテレワーク中の空いた時間で何か成果を挙げたかった・・・。などが受験を決める動機です。

G検定合格に向けた戦略を立てる

私のスペックですが、ずっと文系の道を歩いてきました。暗記力は学生時代には自信ありましたが、社会に出てすでに20年以上経過。加齢による知力体力の衰えを当然のように受け入れている状況なので、当時のキレは厳しいことが予想されました。

また数学においては、中学入学時点ですでに苦手、高校ではほとんど勉強せず、当然理数系に進まず大学進学~社会に出たような状況です。なのでG検定の問題集でみかけた数式の意味はまったく理解できないアタマでした。

こんなのや

こんなのがわからなかったw

 

試験まで2か月しか学習期間がありません。簡単には合格できないことが予想されたため、情報収集を綿密に行い、戦略をきちんと立てました。ネットを徘徊すればたいていのことがわかる時代でよかったです。

私の戦略

1)数学問題は捨てる
G検定は全部で220問程度出題されるようでした。制限時間が120分です。ネットを検索すると、エンジニアのコミュ二ティサイトやAmazonの書評などには、過去の受験者が発する情報が散らばっておりました。

その中で数学は行列や微分の数式問題が出る、しかし得点に占める割合は少ない!ということがわかりました。

2)模擬試験を何度もやる
情報を集める中でウェブ上に非公式のG検定模擬試験を発見しました。登録し試験を進めてみると(その時はまったく解答できませんでしたが)、このような例題を何度もやれば理解できるのではないかと直感しました。

時間も限られています。一から理解していくよりも、実際の試験問題のような具体例に多く触れる方が効率的に覚えられると思ったのです。

3)本番の環境づくりを万全にしておく
過去の受験者のブログなどを見ていると、本番試験中のトラブル事例がありました。自宅で受験できる=突発的なことが起きる可能性があるので、試験中の環境づくりを重視することにしました。

具体的にはPCやネット接続、試験中に参照する資料(以下あんちょこ)の整備などです。

どのようにして学習していったのか

教材を入手

■最初に用意したもの

・公式テキスト
基本中の基本。JDLAの公式サイトに紹介されている。白本と呼ばれていた。

・問題集
G検定の問題開発に絡む方が作者になっており必読らしかった。黒本と呼ばれていた。

・オンライン講座
一番価格が安くて不合格の場合は返金保証!をうたうオンライン講座に決めた。プログラムは解説動画と模擬試験だった。

■途中で追加したもの

・kindle本
G検定合格者が出版していたまとめ本。後半に用語集があり、暗記問題に対応できそうな作りだった。あとAI白書を試験時のあんちょこ用に購入。数学の解説書(結局挫折したw)

学習日程を作成した

夜はほぼほぼ飲酒習慣がある自分。きちんと学習時間がとれるのかとても不安。いちおうエクセルで専用のスケジュール表を作成しいつでも見えるようにした。

学習のスケジュール表なんて中学の試験以来か、笑ってしまうのだが、プレッシャーもじわりじわりと感じはじめていた。とにかく仕事をしながらの2か月間しかないのである。

実際はどうやって学習を進めたのか

1~2週目(4/29-5/13)
ゴールデンウィーク初日から学習開始。新型コロナのため外出予定もキャンセルとなり学習時間は一日3~4時間程度確保できた。公式テキスト通読、 オンライン講座の動画視聴。

この段階では理解できずともOKとした。とにかく文章を読み、動画を眺めた。まったく頭に入ってこないこともあり、受験を断念しようかな~と何度も思った。

3~4週目(5/14-5/29)
連休明け以降も勤務先のテレワークが継続。通勤の往復2.5時間がぽっかり空くが、慣れないテレワークで仕事もバタバタ。動画コースに重点を置く。動画コース二巡目を公式テキストも使って理解を深める作戦。

少しずつではあるが、シラバス全体像が見えてきた気がしてくる。それでも頭にはいらない部分が結構あってそれらは飛ばした。学習時間は一日1.5~3時間程度。

5~6週目(5/29-6/12)
問題集一回目をやってみる。正解率4割といったところか。非常に焦る。公式テキストを再読しながら、合格者がまとめたKindle本を入手。あわせて読み込む。

やはり数学もやらないとまずいのではないかとうろたえ、何やら数学の参考書を入手して読んでみたりと迷走した。学習時間は一日1.5~2.5時間程度。

7~8週目(6/15-7/3)
試験まで残り3週間。時間がないのでこれまでの学習方法を取りやめ。オンライン講座の模擬テストに注力した。何度もやることで知識を定着させることを狙った。

シラバスに合わせて作成された模擬試験を一通りやった後は、できなかった問題に注力した。この頃、勤務先のテレワークが解除されたため、通勤時のスマホでも模擬試験をやった。

・・・問題集をアタマから再読。試験当日のあんちょこを準備。学習時間は一日1.5~2時間程度。模擬テストをひたすらやりながら、最終スパートに入った。そのころオンライン講座でまとめページが登場しあんちょこアイテムに加えた。

オンライン講座の模擬テストは間違えた問題を記録してくれる機能が付いていたので、それらをひたすらつぶしていった。これでディープラーニングの関数や方式の整理がついたような気がする。

とにかく加齢と日常の怠慢から記憶力が低下しているのでなかなか覚えられない。ただしこれはあんちょこを充実させることで乗り切ろうと思った。

試験環境を整えた。本番受験用ノートPC(MSI)とあんちょこ参照用ノートPC(Surface pro6)の2台(笑)。自宅で受験するので、実際にウェブページやキンドル本を動作させながら回線環境も確認しておいた。

本番時に宅配便が来ないようにしておくことも忘れずに!

試験当日

試験開始、余裕で第一門をキャプチャするもそれ以降はありません。必死モードになったのでw

 

本番が始まると、当初は比較的スムーズに解答を進められた。嫌いな数式ではなく暗記系から出題されていたから。

事前に入手した情報だと、わからない場合でも何かを選択しておけば、最後に解答一覧が表示できるのでもう一度トライできるとのこと。

しかし調べればできそうな問題だとついCtrl+F操作であんちょこを検索してしまい、その分時間のロスが増えていった。

やはり本番では教材で見たこともないワードが出た。

とくに機械学習、RNN分野の問題が解けなかった。強化学習やRNNを細かく知らない(ワード含む)とできない問題傾向でした。

そして解けないことが焦りを加速させてしまう。

あんちょこをセットしたSurfaceと試験を行うMSIの間を行ったり来たりしているうちに時間はあっという間に経過。

残り時間17分頃にはこのペースだと全問終わらないことが判明。そこからはひたすらカンにまかせて解答していきました。

終了した時は近年まれにない脱力感が襲いました。

合格の喜びと勝因について

今回の総括です。

やはり合格通知がメールで来たときはとても嬉しかったですね。

良かった点はAIとビジネスについて、大まかなところでの理解が深まったこと、これから不明な点が出た場合に調べるアタリをつけられるようになったことでしょうか。

また、短い期間で勉強時間を確保する動きがまだ自分にもできたことが自信になりました。

やはりもう年なので次回受験までモチベーションを維持することは厳しいでしょう。そこは自分を褒めてやりたいです(笑)

あとは新型コロナのもやもやした時期にテレワークで生み出された時間をムダにしなかったと言えることでしょうかね。

最後になりますが、私のようなスペックでも合格できた勝因と思えることについて書いておきますね。

全問回答する

時間切れになりそうでも最後まであきらめずに何かしら解答しましょう。基本4択なので確率の神様がほほ笑んでくれると思いますw

本番動作に慣れておく

あんちょことして用意したサイトやPDF等の検索(Ctrl+F操作)に慣れておくことはとても大切だと思います。ネット環境も確認しておきましょう。

本番の出題ウインドウのテキストはコピペできないので、調べたいワードを入力する手間が発生します。これけっこうロスになります。そんなことと思うかもしれませんが、慣れておいた方がよろしいかと。

またPCのスペックによっては、何度も検索しているとブラウザの動作が遅くなるので、参照サイトは別のパソコンに立ち上げておくのもオススメです。

学習の進め方

余裕をもって公式テキストで大枠を押さえてから、参考図書やウェブページなどで知識を深めていく。その流れですかね。ウェブ上の模擬テストは必ずやった方がよいです。

自分が使った教材

サイト

Qiitaはエンジニアさん向けコミュニティなのでAIに関する情報がありますよ。以下は試験に対しての心構えとしてとても参考になりました。

@Ringa_hyj作成
ぼくのかんがえた "さいきょう"の G検定対策【まとめのまとめ】

@highno_RQさん作成
G検定 本番困りそうな所まとめ

AIスタディさんのウェブテストと公式例題解説は早い段階から試しておきましょう。
Gもぎ

G検定(AIの検定)模擬テスト

書籍

公式テキスト(通称白本):これがなくてははじまりません。まずは最初から最後まで読んでシラバスの中身を確認しましょう。しかしこの内容だけでは合格できません。


問題集(通称黒本):著書はスキルアップAI株式会社所属。この会社はE資格の「JDLA認定プログラム」を日本で最初に取得しています。ちなみにこれのKindle本は検索ができないのでご注意!


合格者が作ったKindle本:これが素晴らしいのは数学問題の解き方が書いてあること。また巻末の用語集はあんちょこ用に作られています。とっても便利!


AI白書:本番で参照したいならキンドル版がおすすめです。自分は事前に購入したのですが、本番では使用せず。というか大ボリューム本なので試験前にざっくり眺めておく時間も確保できず(泣)。

オンライン講座

  • 全人類がわかるG検定対策コース:AVILENが提供するオンライン講座。私が調べた時点では一番お安かったので迷わず購入。動画のノイズ、テキストの誤り、講師の話術・・・などいろいろな面で満足ではなかったのですが、模擬テストが豊富で◎。間違えた問題だけをリスト化して何度も挑戦できる仕組みは助かった。最終段階で出てきたHTMLのまとめもありがたかった。(ただしctrl+Fではページが長すぎて時間がかかるので当日のあんちょこからは外した)

その他のオススメ教材

機械学習&ディープラーニング:合格してから本屋でいろいろと見てよさげだったのがコレです。公式テキストよりも説明がわかりやすいと思います。

 

  • G検定対策講座:講義動画に加えて、人工知能、機械学習、深層学習の3つのボリューム満点のテキストがついてきます!日本ディープラーニング協会の有職者会員である浅川伸一氏が講師なので期待できますね!

 

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