AI技術

人を超える!?AIの生成や制御は未来の生活や仕事を変える!

AI技術の向上によって、今までは考えられなかった新しいものが次々と生み出されるようになってきました。なぜなら、AIの中でも特に機械学習のレベルが大きく上がっているからです。

機械学習が利用される分野は多岐に渡り、画像分類や物体検出をはじめとして言語処理、音声認識といった分野にまで広がっています。

本記事ではAIの本質とも言える、AIの機械学習における「生成と制御」について解説します。

生成と制御の仕組み

まずは、AIにおける生成と制御の詳しい仕組みについて解説します。

AIの生成と制御は簡単に言えば、Aという入力に対して自動的にAIがBというものを生成したり、Cという制御を行ったりすることをいいます。ただ、このようなAIの生成と制御についてよく勘違いされているのが、「人間が何もせずとも、AIが自ら学習して答えを出し、さらに成長していく。」というイメージです。

映画のSFの世界で、よくそのような描写がありますね。しかし、実際のAIに置き換えると半分は正解ですが、もう半分は間違いです。なぜなら、AIの仕組みとは、学習させるデータや学習方法、アルゴリズムを人間が設定するからです。

利用したいAIによって、学習させるデータやアルゴリズムの設定パラメータは異なります。さらに、この設定は一度だけではなく、学習方法の見直しやアルゴリズムの設定によって、最適な設定を見つけていく作業も必要です。そのため、目的のAIに適した教師データを大量に読み込ませて、メンテナンスをしていくことで、機械が学習して精度がより高くしていきます。

このAIの仕組みは、漫画家や小説家が過去の漫画や物語などの作品を読んで、その内容を参考にして新しいキャラクターや物語を生み出すことに似ています。そして、人間よりも遥かに多くのデータを記憶・処理することに長けているのが、プログラムであるAIです。そのため、AIに大量の教師データを学習させることで、人間と同じように、そしてそれ以上に新たなものを生成したり、機械作業の制御をより賢く正確に行うことができます。

AIで生成できるものとは?

AIの生成ができることの1つに、実在しないデータを新たに生成するというものがあります。代表的な技術が「敵対的生成ネットワーク:GAN(Generative Adversarial Networks)」です。

GANはAI生成モデルのひとつで、学習させた大量のデータからその特徴を学習し、これまで存在していなかったデータ生成や、存在するデータの変換ができます。

AI生成の事例

では、具体的にAI生成が活用されている事例を見ていきましょう。これまでの、機械やロボットが作ったモノをイメージしていると、その生成物のクオリティの高さとのギャップに驚くに違いありません。

  • アイドル自動生成AI
  • ディープフェイク
  • 画像補正

アイドル自動生成AI

株式会社データグリッドは、画像生成分野の向上を目的に、最新の研究結果を応用したAIを開発しました。それがアイドルの顔画像の自動生成です。

生成方法は、GANにアイドルの顔画像のデータを学習させることで、GANがアイドルの顔の特徴を覚えます。そして、学習したアイドルの顔の特徴を元に、全く新たな存在しないアイドルの画像を生成するのです。

初音ミクやキズナアイなどのCGやアニメのような映像上のアイドルではなく、人間のアイドルの顔を画像として生成するのです。実際にアイドル自動生成AIで生成された画像を見ると、本物のアイドルグループにいてもおかしくない可愛らしく、なによりも違和感のない女性の画像が出てきます。

データグリッドは最終的に「ユーザーの『好み』を認識して生成が可能なレベルまで持っていきたい」としています。将来的には、自分の好きなアイドルはAIが作り上げる時代になるかもしれません。

ディープフェイク

ディープフェイクとは実際に人の映像を撮ることなく、あたかもその人がカメラの向こうで話したり動いたりする動画を、AIが生成する技術です。

FacebookのCEOであるザッカーバーグ氏のディープフェイク動画が、ニュースになったのを聞いたことはないでしょうか?動画はザッカーバーグ氏が話しているように見えますが、実際にはAIが生成したフェイク動画で、ザッカーバーグ氏はカメラの向こう側にはいなかったのです。

このディープフェイクの動画にも、先述したGANのAI技術が使われています。ディープフェイクは、実在の人はもちろんのこと、上記のアイドル自動生成AIのような技術を利用して、実在しない人の動画作成も可能です。

画像補正

AI生成は、画像補正に利用できます。具体的には、写真を合成して違和感のない画像を生成したり、画像の欠損部分を修復してくれます。

たとえば、スマホでズームで撮影すると画質が荒くなりますが、それをAIの画像補正で高画質に仕上げてくれるのです。AIの生成技術で、本来このポイントはこんな色や形であろうと判断をして、ドットを置き換えて生成して高画質化します。

このほか、写真に写っている邪魔な物体を消したり、モノクロ写真をカラー写真に着色したりも画像補正でできます。将来的には、古い昔に撮られた写真などをカラー着色して、現代の写真と違和感のないものができるかもしれません。

AIで制御できるものとは?

ここからは、AIで制御できるものについて解説していきます。AIの制御は、主に機械に利用されるものがほとんどです。人がこれまで行っていた作業を、人に代わってAIが行ってくれているようになっていきます。

AI制御の事例

AI制御の事例は、次の3つを紹介していきます。

  • 温度の自動調整制御
  • 自動運転
  • 自動お片付け

温度の自動調整制御

アメリカのGoogle社では、多くのサーバー群を冷却する設備制御をAIに任せています。サーバーは長時間動かすと発熱して動作不良やパフォーマンス低下を起こすため、安定的な運用には適度な冷却が必要です。

従来は人の手によって、冷却設備の温度調整を制御していたのですが、この制御をAIによって自動化し、電力を従来比で約30%も削減することに成功しました。

注目したいポイントが、導入当初から30%の削減ができたわけではないという点です。導入当初は10%程度の削減効果でしたが、AIの学習効果によって設備制御をより効率化したことで、削減効果を30%まで引き上げられました。

自動運転

自動車メーカーのCMで目にするようになった、自動運転もAIによる制御のひとつです。

自動運転の技術進歩は目覚ましく、日産やトヨタ、アウディ、そしてGoogleなど世界の名だたる企業が実用化目前というところまで技術開発が進んでいます。自動運転が普及することで、人間のドライバーが運転することなく、目的地まで最適ルートで移動できるようになります。

これは、自動車や信号、歩行者など周辺環境の状況をセンシングして、AIによる分析で自動車を自動制御しているからこそ実現する技術です。自動運転は、事故検知の正確な把握にも役立ち、お年寄りや身体の不自由な人など、移動が大変な方がひとりで安全に移動できる社会を実現します。

自動お片付け

Preferred Networks社が2018年に発表したロボットは、部屋に散らばった100種類を超える物を認識して、元ある場所に片付けることをAI制御しています。物を掴む、運ぶ、置くという動作はもちろんのこと、人の指示に対応できる機能も有しているので便利です。

人の生活空間には、想像以上に多くのものが存在しており、物の配置も常に変わっていくものです。たとえば、テレビのリモコンやスマホがいつもの置き場所になく、どこに置いたか分からず部屋中を探す経験は何度もありますよね。

そんな状況でも、自動お片付けロボットは画像認識によって「どこに何があるのか?」、物の位置と種類を認識できるようになっています。本来の置き場所が分かっていれば、正しい位置にその物を移動させるというわけですね。一人暮らしのお年寄りや子どもの小さい家庭などで、活躍してくれるでしょう。

AIの生成や制御にはリスクもある

AIは、少しずつではありますが私たちの身近なところにも活用され始めています。そのため、未来では一家に一台AIロボットがある世の中になっているかもしれません。

一方で「ディープフェイク」に代表されるように、AIの生成技術はパッと見ただけでは人間が判別できないレベルにまで達しています。

このように、AIと共に生きる未来は便利であるとともに、犯罪などに悪用されるリスクも十分すぎるほどあります。そのため、AIに騙されないように今から正しい知識を身につけていくことが大事になっていきます。

AIの生成・制御が映画の世界を現実にする未来は近い

AIの生成や制御といった技術は、今までのシステムではできなかった物の生成や機械の自動制御を可能にします。画像補正や自動運転など、これまでは映画の世界だけだった未来の技術が、AIの生成・制御によって現実のものになろうとしているのです。

これからの時代、AIがより身近なものに普及していくことは想像に難くありません。とはいえ、ディープフェイクなどのAI生成・制御事例に見るに、人にとってすべてがすべてメリットたりうるかといえばそうではありません。AIの生成や制御が作り出す未来の姿を想像しながら、メリットとリスクを十分に理解していきましょう。

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